【いくら?】失業保険でもらえる金額の計算方法を解説

田中くん
失業保険はいくらもらえるのかな?どのくらいの期間もらえるの?

このページでは、こんな疑問に答えていきます。

この記事でわかること
ねこくん

#この記事を書いた人

みんなの転職アドバイザー

ねこくん

経歴

新卒でブラック企業に入社し、耐えきれず1年で退職。その後人材系企業にて転職支援に携わる。フリーランスとして数年活動し、現在は経営者で法人3期目。
さまざまな人の転職・キャリア構築をサポートしています。

失業保険の給付金額を計算する3つのステップ

田中くん
自分の場合、失業保険でもらえる金額はいくらなのかな?
ねこくん
金額の求め方は以下の3ステップです。
給付金額を計算するステップ

賃金日額を求める

基本手当日額を求める

給付日数と基本手当日額から手当総額を求める

失業保険の給付金額を計算
手当総額を計算するために、まずは賃金日額を求める必要があります。

賃金日額の求め方
  1. 離職前6ヶ月間の給料合計額を出す
  2. 給料合計額を参考に賃金日額を求める

失業保険の金額は、退職した会社から支払われていた給料の50~80%がもらえる決まりになっています。※ 60~64歳を除く

各ステップについて、詳しく見ていきましょう。

①退職前6ヶ月間の給与合計を計算する

ねこくん
まずは、退職前6ヶ月間の給与合計額を調べましょう。
田中くん
給与明細が無いかも…どうすればいいかな?

過去に支給された給与は、給与明細だけではなく退職時に受け取ることが可能な「離職票2」にも記されているので、それをもとに確認しましょう。

注意
給与合計には退職金やボーナスは含めず、残業代・通勤手当などの各種手当は計算に含めるようにしましょう。

②給料合計額を参考に、賃金日額を求める

ねこくん
過去の給与合計が出せたら、次は1日あたりの平均賃金を求めます
賃金日額の計算
①で求めた退職前6ヶ月の間に支払われた給与合計 ÷ 180日(30日×6ヶ月) = 賃金日額

③離職時の年齢と、賃金日額をもとに、基本手当日額を求める

ねこくん
②で求めた賃金日額を、離職時の年齢にもとづいて計算していきます。

賃金日額が計算できたら、次は離職時の年齢に注目しましょう。

年齢によって給付率が変わり、区分は以下の4パターンに分類されます。

離職時の年齢区分
  1. 29歳以下または65歳以上
  2. 30~44歳
  3. 45~59歳
  4. 60~64歳
あなたの離職時の年齢が何歳になるか当てはめてそれぞれ計算していきましょう。

なお、以下のデータは2019年8月1日に更新された厚生労働省のデータを参考にしております。

離職年齢賃金日額計算式給付率
29歳以下
または
65歳以上
2,500円未満下限81%以上
2,500~5,009円180%
5,010~12,330円251~79%
12,331~13,630円350%
13,631円以上上限49%以下
30~44歳2,500円未満下限81%以上
2,500~5,009円180%
5,010~12,330円251~79%
12,331~15,140円350%
15,141円以上上限49%以下
45~59歳2,500円未満下限81%以上
2,500~5,009円180%
5,010~12,330円251~79%
12,331~16,670円350%
16,671円以上上限49%以下
60~64歳2,500円未満下限81%以上
2,500~5,009円180%
5,010~11,090円5・6の
低い方
46~79%
11,091~15,890円445%
15,891円以上上限44%以下
計算式
  1. 0.8 × 賃金日額
  2. 0.8 × 賃金日額 – (0.3{(賃金日額 – 5,010) / (12,330 – 5010)} × 賃金日額
  3. 0.5 × 賃金日額
  4. 0.45 × 賃金日額
  5. 0.8 × 賃金日額 – (0.35{(賃金日額 – 5,010) / (11,090 – 5010)} × 賃金日額
  6. 0.05 × 賃金日額+(11,090 × 0.4)

下限額は年齢に関係なく2,000円になります。また、離職年齢ごとの上限金額は以下になります。

上限
29歳以下6,815円
30~44歳7,570円
45~59歳8,335円
60~64歳7,150円
田中くん
基本手当の計算って複雑で難しいな・・・
ねこくん
手順を一つずつ進めていけば、大丈夫ですよ!ここからは具体例で基本手当の計算方法をおさらいしていきましょう。

例 : 25歳で退職した場合(毎月の給与支給額30万円)

基本手当日額の計算
  1. 離職前6ヶ月間の給料合計額を出す
  2. 給料合計額を参考に賃金日額を求める
  3. 賃金日額と年齢からを基本手当日額を求める
ねこくん
まずは離職前6ヶ月間の給与合計を出しましょう。
離職前6ヶ月間の給与合計
30万円 × 6ヶ月 = 180万円
田中くん
次は賃金日額を求めるんだっけ・・・
賃金日額を計算
180万円 ÷ 180日(30日×6ヶ月) = 1万円
ねこくん
次は基本手当日額を計算していきます。離職時の年齢は25歳で賃金日額は1万円なので、以下の表に当てはめると、計算式は2番になりますね。
離職年齢賃金日額計算式給付率
29歳以下
または
65歳以上
2500円未満下限81%以上
2,500~5,009円180%
5,010~12,330円251~79%
12,331~13,630円350%
13,631円以上上限49%以下
計算式
  1. 0.8 × 賃金日額
  2. 0.8 × 賃金日額 – (0.3{(賃金日額 – 5,010) / (12,330 – 5010)} × 賃金日額
  3. 0.5 × 賃金日額
  4. 0.45 × 賃金日額
  5. 0.8 × 賃金日額 – (0.35{(賃金日額 – 5,010) / (11,090 – 5010)} × 賃金日額
  6. 0.05 × 賃金日額+(11,090 × 0.4)
基本手当日額を計算
0.8 × 10,000 – (0.3{(10,000 – 5,010) / (12,330 – 5010)} × 10,000

8,000 – (0.3(4,990 / 7,320) ✕ 10,000

5,954円(基本手当日額)

田中くん
なるほど、順番に電卓で計算していけば問題ないね。

失業保険の給付日数は退職理由によって異なる

田中くん
失業保険で受け取れる金額はわかったけど、どのくらいの日数受け取れるのかな?
ねこくん
受給期間は退職理由や被保険者期間などで異なってきます。

失業保険が受け取れる期間は退職理由や被保険者期間で異なりますが、90日〜330日と決められています。

この、失業保険が受け取れる日数のことを所定給付日数といいますので、覚えておきましょう。
失業保険が受け取れる期間

注意
障害のある人などの就職困難な方は最大で360日間です。

ここからは、退職理由ごとに所定給付日数を見ていきます。

そもそも退職理由の違いってなに?という場合は、『自己都合退職・会社都合退職の違い』で解説していますので、合わせてご覧ください。

自己都合退職の場合、給付日数は最長で150日間

田中くん
自己都合退職の場合は何日間もらえるのかな?
ねこくん
自己都合退職の場合、給付日数は年齢などに関わらず、在職中における雇用保険の加入期間によって決定します。
被保険者期間ごとに見ていきましょう。
被保険者期間給付日数
1年未満 ~ 10年未満90日
10年以上~20年未満120日
20年以上150日

会社都合退職の場合、給付日数は最長で330日間

田中くん
自己都合退職だと、長年勤めててもほとんど給付日数に変わりはないんだね。会社都合退職はどうなのかな?
ねこくん
会社都合退社の場合は、倒産や解雇などで突然離職せざるを得ないという観点から、自己都合に比べて多めの給付日数になっています。

また、会社都合退職の場合、給付日数は年齢と在職中における雇用保険の加入期間によって決定します。

1~4年5~9年10~19年20年以上
29歳以下90日120日180日
30~34歳120日180日210日240日
35~44歳150日240日270日
45~59歳180日240日270日330日
60~64歳150日180日210日240日

※ 1年未満は年齢に関わらず90日になります。

田中くん
表を見ると、45~59歳の場合が手厚いね!
ねこくん
そうですね。この年齢になると再就職も難しくなってくるのが主な理由です。

例えば25歳、被保険者期間3年、会社都合で退職した場合は、29歳以下、雇用保険加入期間が1~4年に当てはまるので、給付日数は90日になります。

賃金日額と給付日数から失業保険の手当総額を計算

ねこくん
ここまで、賃金日額と給付日数を計算してきました。その2つから失業保険の手当総額を求めましょう!

月額手当は「日額手当 ✕ 28日」で求められます。

賃金日額5,954円の場合
5,954 ✕ 28 = 166,737円

また、手当総額は「給付日数 ✕ 賃金日額」で計算できます。

手当総額
給付日数(90日) ✕ 賃金日額(5,954円) = 535,860円

失業保険を最大限受け取るには離職6ヶ月前の給与を増やそう

田中くん
失業保険の受給金額をもっと増やすための方法ってあるかな?
ねこくん
失業保険の受給金額を増やす簡単な方法は、離職前6ヶ月間の給与合計を増やすことです。

前述しましたが、1日あたりにもらえる失業保険の受給額は、離職前6ヶ月間にもらった給料の平均から計算します。

そう考えると、元となる離職前6ヶ月間の給与合計を増やすことで、失業保険の受給額も増えることがわかりますね。

そのため、退職前に残業や休日出勤などを増やしておくのが失業保険を多くもらうコツとなります。

注意
基本手当日額には上限があるので事前に計算しましょう。

ただし、健康保険の任意継続をする場合は注意!

ねこくん
ただ、離職前の給与を増やすことで発生するデメリットもあります。それは健康保険を任意継続する場合です。
田中くん
健康保険の任意継続?なにそれ?

社会保険に加入しており、継続して2ヶ月以上の被保険者期間がある場合、退職後には「国民健康保険に加入する」「健康保険を任意継続する」かの選択が可能です。

注意が必要なのは会社の健康保険を任意継続する場合で、健康保険料は在職中の4月~6月の給料をもとに算出されます。

ねこくん
そのため、4月~6月の給料を増やしてしまうと、退職後の保険料も増えてしまうんですね
田中くん
なるほど。任意継続を考えている場合は4~6月は残業などを増やさないほうがいいんだね。

まとめ

この記事のまとめ
  • 受給金額は離職時の年齢と、賃金日額をもとに計算できる
  • 給付日数は退職理由によって異なる
  • 受給金額を増やすコツは退職前6ヶ月間の給与を増やすこと

基本ルールさえ押さえておけば、退職前の残業量を調整するなどして金額を増やすことも可能です。

失業保険についてしっかりと学んでおき、退職後の金銭面の不安を少しでも解消できるように計画を立てておきましょう。

ねこくん
もしなにか不安なことや質問がございましたら、 LINE @biblecareerから気軽にご質問くださいね。

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